技術コラム

青果物の鮮度保持技術

ピカミラ

光技術

製品紹介

2019.06.10

今回は、農業分野で使われる光をテーマとしたお話です。
近赤外光照射による「青果物鮮度保持技術」のご紹介をさせて頂きます。
なんと、光を0.1~数秒照射するだけで鮮度が長持ち♪ なぜ!?

世界初、近赤外光を使った鮮度保持の技術が生まれました。
発明者は四国電力グループの㈱四国総合研究所。
電力を有効に使う研究の一環で、光の農作物に対する作用を研究されたところ、近赤外の光をレタスの葉に当てるとしおれが抑制されることを発見、それから様々な野菜、果物、花卉、根菜類の多くの品目で実験を重ね、この鮮度保持技術を発明されました。
この技術は「iR(アイアール)フレッシュ®」と名付けられ、特許を取得、世界的に権威のある学術雑誌(Postharvest Biology Technology)への発表も行われています。
弊社はその光技術を活かすため、光応用製品をご提供させて頂いております。

 

 

1)鮮度保持技術iRフレッシュ®に使用される光の波長帯

鮮度保持効果が認められたのは、波長800~900nm近辺の光。目には見えませんが、世間ではテレビのリモコンや防犯カメラ用にも使用されている安全性の高い光です。

 

 

2)どの青果物にどのような効果があるの?

なんと、ほとんどの青果物、いわゆる葉物野菜、果菜類、果実、根菜類、切花の実験で下表にあるような効果があることが実証されています。また外観だけでなく、味の劣化スピードも抑えられることも分かっています。

 

 

3)実験例

 

 

4)そのメカニズムは?

青果物は強い近赤外光を高温・乾燥などのストレスとして感知し、ストレス耐性や病害抵抗性に関わる遺伝子が発現します。それにより以下のような現象が起こり、その結果として、鮮度保持につながっているとみられています。

・活性酸素の生成
・気孔の閉鎖
・蒸散や呼吸の抑制
・抗菌物質の生成
・微生物の増殖抑制 など

 

 

5)導入事例

専用の鮮度保持装置は三井金属計測機工㈱の「Fkeep®」という商品名で製造・販売されており、レボックスはその中の光源部分を担当させて頂いております。

【Fkeep®の導入事例】

●導入事例1
三重県にある東海運様のミニトマト植物工場「AZUMA FARM三重」で、計量機に追加するような形で導入頂きました。重量測定されたミニトマトを袋詰めする手前で照射されるので、作業の手間は一切かかりません。東海運様がこだわりをもって生産される「あづまこべに」という高品質のミニトマトの鮮度保持に役立っています。

●導入事例2
四国にある農業協同組合様の柑橘類選果場のラインに導入頂きました。出荷先の市場でも鮮度保持効果が認められ、本格的に実運用を開始しました。

 

 

6)拡がる可能性

  • 光を短時間照射するだけの、安心・安全な鮮度保持技術です。化学薬剤などの使用を減らせる可能性があります。
  • 冷蔵できない品目(ナス、シシトウなど)についても使用可能。商品価値を延長させ、廃棄ロスの低減につながる可能性があります。
  • みずみずしさを維持することにより商品価値を高め、海外へ輸出するなど有利販売や拡販が見込めます。

資料提供:㈱四国総合研究所、三井金属計測機工㈱

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※記事内の情報は執筆時のものになります。変更となっている可能性がございますので、ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

貴社の用途に最適な光源が必ず見つかります。
ぜひレボックスにお手伝いさせてください。

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